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RFCの概要

RFCとは何か?

『RFCとは何か?』と疑問を持つ方のために、 まず最初に簡単に説明を行います。

RFCとは

RFCは"Request for Comments"の略で敢えて訳を付けるのならば『求むコメント』となります。 RFCに初めて触れた方の多くの方はまず『どうしてRFCが"RFC"と呼ばれているのか?』と、 現在のRFCの位置づけと名前が持つ意味のギャップに悩むに違ありません。 この悩みがRFCを理解する上で最初の関門であることは確かで、かつ、 解消するまでに長い時間がかかる(かもしれない)ものなのです。 なぜなら、 本当に正確な理解をするためにはRFCの歴史にまで踏み込まなければならない、 からです。 ですが、 読者の中には今日RFCに入門したばかりの方もいるかもしれません。 そこで、ここではひとまずそのような『歴史』についてはおいておいて、 『RFCの現在』に注目することにします。 RFCの歴史については改めてと説明しますので、 それまでお待ちください。

RFCの位置づけ

さて、ここで質問があります。

『RFCとインターネットどっちが先か?』

この問題に答えられるのなら、その人は相当RFCに詳しいに違いありません。 RFCの原型はインターネットがインターネットとなる以前から、 ARPANETの可能性を検討している時代に生まれています。 RFCは現在のインターネットを産み出す原動力ともなり、 そのまま現在でも

『インターネットコミュニティで共有すべき様々な事柄』

を公開・蓄積・配布するためのシステムとして利用され続けています。 このように、 当初からインターネットに関する情報を集約しつづけるRFCの内容は『インターネットそのもの』であり、 今後もそれは変らないと思います。

このようなRFC中には、

  • インターネットの様々な技術的仕様群

  • インターネットに係わるルール群

  • ちょっと良い知識群

  • 遊び心に溢れるジョーク

などが含まれます。

ところで、最初の2つめ、いや3つ目はまでは良いとして、 最後の『ジョーク』がRFCのような『重要なシステム』に含まれることを信じられない方もいるかもしれません。 これ自体がジョークなわけではありません。 最近は4月1日(エイプリルフール)になると必ずといって良いほどジョークRFCが公開されています。 だからといって、 『所詮RFCなんてそんなもの』といった早とちりはしてはいけません。 インターネットはできてから四半世紀程度しかたっておらず、 いろいろな遊び心が許容されるまだまだ若い世界のままなのです。 ちょっと脱線してしまったので話を元に戻します。 ジョークRFCについてはいつか詳しく紹介するのでそれまで待っていてください。

RFCのもう一つの重要な役割は、

「幅広いコンセンサスを構成すること」

です。 RFCは広く公開されており、望めば誰でも入手可能になります。 そして(あとで説明するが)インターネットの標準化に関する議論にも誰もが参加できます。 このことから、 RFCはインターネットという広い世界でオープンな議論をするための仕組みとしても利用されていることになります。

この段階での理解をまとめると、

  • RFCはインターネットの様々な事柄を記述している。

  • インターネットに関する事柄にはRFCを通して規定されているものがある。

ということになります。

文責 宇夫 陽次朗(Yojiro UO) 北陸先端科学技術大学院大学 情報科学研究科

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